胃がんになると
げっぷがよく出る!?
げっぷをしたことがない、という方はおそらくいないでしょう。
しかし、頻繁にげっぷが出る、以前よりげっぷが増えたという場合には注意が必要です。中には、疾患を原因として起こるげっぷもあるためです。
たとえば胃がんの場合、胃が内容物を適切に送り出せなくなり、内圧が高くなってげっぷが多発するといったことがあります。
げっぷが出るメカニズム
胃の中にたまった空気が食道を経て口から出るのが「げっぷ」です。
私たちは普段、食事中やそれ以外の時間、程度の差はあれ無意識に空気を飲み込んでいます。口から入った空気は最終的にげっぷやおならとして排出されますが、このうちげっぷとなるのは飲み込んだ空気が胃から逆流するケースです。
それ以外の空気は、腸を通っておならとして排出されます。
げっぷがよく出てお腹が張る(膨満感)
げっぷがよく出てお腹が張るという場合には、呑気症を疑う必要があります。
無意識に大量の空気を飲み込むことで、げっぷやおならがよく出るようになります。それに付随して、お腹の張りや不快感などを伴うこともあります。
また、げっぷによって胃酸の逆流を招き、逆流性食道炎の原因になることもあります。
げっぷが多くなる原因は?
げっぷの原因には、早食い・食べ過ぎ・喋りながらの食事・飲み過ぎ・喫煙・肥満・姿勢不良などによる下部食道括約筋の緩み、ストレス、薬の副作用などが挙げられます。
また、疾患が原因になってげっぷが頻発するケースも見られます。
げっぷがよく出るときに
考えられる疾患
げっぷがよく出るときに考えられる、主な疾患をご紹介します。
逆流性食道炎
げっぷが多発する場合に、まず疑われるのが逆流性食道炎です。胃酸が逆流し、食道で炎症を起こしています。
胸やけ、酸っぱいものがこみ上げてくる、げっぷ、喉のヒリヒリ感、咳、声がれ、食べ物が喉につかえる感じといった症状が見られます。
胃・十二指腸潰瘍
胃や十二指腸の粘膜が深く傷ついている状態です。ピロリ菌感染を主な原因とします。
腹痛、げっぷ、胃やみぞおちの痛み、下血・黒色便、吐血などの症状が見られます。
食道裂孔ヘルニア
食道裂孔ヘルニアのみでは、基本的に無症状です。しかし、胃酸の逆流を伴う場合には、胸やけ、げっぷ、酸っぱいものがこみ上げてくる、胸痛、胸がつかえる感じといった症状が見られます。
呑気症
無意識に空気を大量に飲み込んでしまい、げっぷ、腹部膨満感などの症状を引き起こします。
げっぷがよく出る場合は
ご相談ください
ここまでにご説明した通り、げっぷは生理現象ではあるものの、病気を原因として発生することがあります。
その中には、胃がんなどの重い病気も含まれています。こういった病気の早期発見・早期治療のためには、早めに受診していただき、必要に応じて胃カメラ検査を行うことが大切です。げっぷの原因となる疾患のほとんどを、胃カメラ検査で正確に発見・診断できます。
また、げっぷがたくさん出ると、日常生活でも不便を感じることがあるかと思います。早食いや暴飲暴食、喫煙、肥満、姿勢不良、ストレスなどさまざまなものが原因となりますので、疾患がなかった場合にも、生活習慣指導を行い、げっぷ症状の改善を図ります。